会話がかみ合わない...それは気持ちの問題ではありません

ー家族のすれ違いと「聞こえ」が静かに関係している話ー
「ちゃんと話しているのに、伝わらない」
「聞いているはずなのに、話が嚙み合わない」
「何度も同じことを言わされて、つい強い口調になってしまう」
こうした”会話のすれ違い”に、
心当たりのあるパパママは少なくありません。
そして、その後に必ずやってくるのが、
こんな自己嫌悪です。
「なんで、あんな言い方をしてしまったんだろう」
「年をとってきているのに、優しくできなかった」
「分かってあげたいのに、余裕がない」
まず最初にお伝えしたいのは、
あなたが冷たいわけでも、思いやりが足りないわけでもない
ということです。
そのすれ違い、
実は「気持ち」ではなく
聞こえの問題が深く関係していることがとても多いのです。
目次
- ○ 聞こえにくさは、会話を「疲れるもの」に変えてしまう
- ○ 家族のイライラは、自然な反応です
- ○ 「性格が変わった?」感じた時に考えてほしいこと
- ○ 会話のすれ違いは、放っておくと広がります
- ○ 補聴器は「音」だけでなく「空気」を変えます
- ○ 「聞こえの話」を切り出す時のヒント
- ○ 「メガネと補聴器の中尾」が大切にしていること
- ○ 会話がしんどくなった時は、立ち止まっていい
聞こえにくさは、会話を「疲れるもの」に変えてしまう
聞こえが少しずつ低下してくると、
会話はだんだんと”楽しいもの”から、”疲れるもの”へ
変わっていきます。
・全部は聞こえない
・前後の文脈から推測しないといけない
・集中しないと話についていけない
これを、日常的に続けている状態を創造してみてください
本人は一生懸命、
聞こうとしています。
分かろうとしています。
でもその裏では、
大きな疲労が溜まっていきます。
その結果どうなるか。
・会話を避ける
・返事が曖昧になる
・聞き返すのが億劫になる
ご家族から見ると、
「ちゃんと聞いていない」
「話す気がない」
ように見えてしまうことがあります。
でも実際は、
聞こえにくい世界で必死に踏ん張っている状態なのです。
家族のイライラは、自然な反応です
一方で、ご家族側はどうでしょうか。
・同じ話を何度も繰り返す
・声を張り上げる
・会話に時間がかかる
こうしたことが続けば、
誰でも疲れてしまいます。
「分かってほしい」
「ちゃんと聞いてほしい」
そう思うのは、
家族として当たり前の感情です。
それでも、つい強い口調になってしまったあとに
自分を責めてしまうパパママは本当に多いです。
でも、ここで大切なのは、
誰かが悪いわけではないという視点です。
聞こえにくさがある環境では、
家族全員が少しずつ無理をしています。
イライラが生まれるのは、
愛情が足らないからではありません。
状況が、つらいだけなのです。
「性格が変わった?」感じた時に考えてほしいこと
「前はこんな人じゃなかったのに」
「最近、頑固になった気がする」
「話しかけても反応が薄い」
こうした変化を感じると、
つい”性格の問題”としてとらえてしまいがちです。
でも実は、
聞こえにくさが続くと
人は次第に”守りの姿勢”になります。
・間違えたくない
・聞き返すのが恥ずかしい
・分からない自分を認めたくない
その結果、
無口になったり
話題を避けたり
感情表現が少なくなったりします。
これは、
プライドに問題ではありません。
自分を守るための、無意識の反応なのです。
会話のすれ違いは、放っておくと広がります
聞こえにくさが原因のすれ違いは、
時間が経つほど大きくなっていきます。
・会話が減る
・用件だけのやりとりになる
・雑談がなくなる
すると、
「一緒にいるのに、距離がある」
そんな感情が生まれてしまいます。
これが続くと、
家族関係そのものに影響が出ることもあります。
でも逆に言えば、
聞こえの環境を整えることで、関係が大きく改善する
ケースもとても多いのです。
当店では、
補聴器を使い始めたあとに
こんな声を何度も聞いてきました。
「こんなに普通に話せたんですね」
「最近、家の中が静かじゃなくなりました」
「笑うことが増えました」
補聴器は「音」だけでなく「空気」を変えます
補聴器というと、
「聞こえるか・聞こえないか」
だけをイメージしがちです。
でも実際には、
家の中の空気が変わることがとても多い。
・声を張り上げなくていい
・聞き返しが減る
・自然な会話が増える
それだけで、
家族のストレスは大きく減ります。
補聴器は、
音を大きくする道具ではなく、
家族の会話を取り戻すための道具。
そう考えていただくと、
少し見方が変わるかもしれません。
「聞こえの話」を切り出す時のヒント
会話がうまくいっていない時ほど、
聞こえの話題は切り出しにくいものです。
そんな時は、
こんな言い方がおすすめです。
「最近、話すのが大変そうに見えて」
「私がうまく伝えられてない気がして」
「一度、一緒に聞こえを見てもらわない?」
”あなたが悪い”ではなく、
”一緒に楽になるため”という視点。
この言い方だけで、
受け取られ方は大きく変わります。
「メガネと補聴器の中尾」が大切にしていること
当店では、
聞こえの相談を
「本院だけの問題」とは考えていません。
家族の会話
家族の空気
家族の安心
それらすべてが、
聞こえと深くつながっているからです。
だからこそ、
ご家族からの相談も
一緒の来店も
とても大切にしています。
会話がしんどくなった時は、立ち止まっていい
もし今、
「最近、会話がしんどいな」
「ついイライラしてしまうな」
と感じているなら。
それは、
あなたが冷たいからではありません。
聞こえの環境が、
少し無理をしているだけかもしれません。
相談することは、
関係を壊す行動ではなく、
守る行動です。
